書籍紹介
審美領域におけるインプラント治療を考える
−成功に導くための位置と時期−
著:小川勝久(品川区 小川歯科・天王洲インプラントセンター)

A4変型判 上製本 カラー 144ページ
ISBN978-4-901894-55-5
定価14,700円(本体14,000円+税)
Tissue Proliferation・Flapless ・Veneer Graft・抜歯即時埋入・Sockets Preservation・Roll Technique ・GBR・CTG……
インプラントによる前歯部の審美修復に最前線で取り組んでいる著者が,補綴主導でのインプラント治療の考え方のもとに,最新の診査診断方法,治療計画立案,骨および軟組織の再建を含めた各種技法の検討・選択,術中のポイント,最終補綴,予後の経過等について,20近い症例を提示.
 
       
目次

審美領域におけるインプラント治療を考える
目次

第1章 基本的事項から考える
1.審美歯科とインプラント治療について―はじめの言葉にかえて
2.インプラントの種類と形状から学ぶ
3.審美領域での埋入方法と位置
4.デジタルレントゲンやCTを応用した診断とインプラント埋入術式
5.骨移植と各種移植材
6.軟組織のマネージメント

第2章 臨床ケースから考える
1.上顎中切歯1歯欠損インプラント―歯肉形態の獲得のためのプロビジョナルクラウン
2.上顎中切歯抜歯即時埋入インプラント―ハイスキャロップでの取り組み方
3.上顎側切歯の歯根破折にTissue Proliferationテクニックを応用し,抜歯即時インプラント埋入をおこなったケース
4.上顎側切歯1歯欠損へのインプラント―吸収した骨・軟組織への対応
5.上顎左右中切歯欠損への2本のインプラント―インプラント−インプラント間の距離と位置
6.下顎側切歯部の進行した歯周病へのインプラントの応用
7.審美領域における即時機能

推薦の言葉

『審美領域におけるインプラント治療を考える』上梓に寄せて

 骨接合インプラントが歯科に導入されて20年以上が経過して,欠損補綴の選択肢を大きく変えている. と同時に無歯顎治療から出発し,義歯の固定に主眼をおいた治療は,部分欠損領域にも応用され,安定した骨接合と予後の報告があり,治療法はすでに認知されている. 歯科臨床の目的が,炎症のコントロールと咬合機能の維持,そして審美性の向上にある以上,近年インプラント治療には,より自然な審美性が求められるのは宿命とも言える. また,この20年の歯科臨床は歯周治療の技能が飛躍的に進歩したという背景もあり,噛める歯に,きれいな歯,より自然で健全な歯周環境の要求に応えることも可能になった. しかしながら,2007年現在,この要求に応え,しかも長期的に審美性を維持するには,卓越した技能の必要性と試行錯誤が現実で,すべてに解決しているわけではない. また,外科的侵襲や経済的理由でインプラント治療が,欠損補綴の完全なる第一選択になっているわけでもない. ただし,歯科治療が術者の技能に左右される技術分野である以上,技術系の宿命で,不可能を可能にする技術の向上は止まるところを知らない. インプラント治療は今後も検査機器の進歩と普及によって,より安全になり,システムの改善やインプラント本体の改善と移植材の開発によって,より簡便でより長期に機能し,そしてより美しい審美性が要求されながら,適応症を拡大していくであろう.
 小川勝久先生は,現在の明海大学歯学部で,かつて私が教えた先生の中で最も優秀な歯科医師の一人である.卒業と同時に補綴学第2講座に残られ,クラウンブリッジの研鑽を積まれた. 当初より審美治療に強い興味を持たれ,歯の審美性から歯周組織,歯列,顔貌との関係を臨床の場で追求されていた.その事が,インプラント治療の導入において,いち早く審美性の付与を考慮する背景となったようである. また,インプラントの治療結果の良否の判定に,特に前歯部においては,審美性の獲得と維持に主眼をおいた臨床を目指されたのも必然であった. 今日,インプラント治療は,治療期間の短縮や治療部位の骨,歯周組織の構築が,クローズアップされている.本書において,自身の審美治療に対する姿勢と情熱は,読者には手に取るように理解されるであろう. ただし,この分野はまだ,長期的な予後の報告はなく,どちらかと言えば,臨床が先行した現実があり,EBMとして確立したものではない. 臨床家は失敗と反省と検証を繰り返しながら,今後もより快適なインプラント治療を目指している. 本書が,今後のインプラント治療の分野の向上に寄与する事と,インプラント治療を導入しようとする後進の若い先生方の参考と目標になることを,切に願って推薦するものである.


                               明海大学歯学部臨床教授 田端 義雄

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