書籍紹介
スリープスプリント療法
−睡眠呼吸障害の歯科的治療法
編著:中川 健三(医療法人社団健心会)
A4変型 オールカラー 176ページ
ISBN978-4-901894-83-8
定価8,925円(本体8,500円+税)
『いびきと睡眠時無呼吸症候群の歯科的治療』の続編、待望の刊行! スリープスプリントの製作手順をもっとくわしく知りたい、というご要望にお応えしました! 作り方のA to Z、コツ・カンドコロを、写真でビジュアルに詳説してあります。また、医師からの依頼状に添付される睡眠ポリグラフ検査の読み方や、スリープスプリント療法の適応症を判定するための検査法などについても解説しました。

05年1月刊! ご予約受付中!
 
       
目次

スリープスプリント療法 目次

1.知っておきたい睡眠時無呼吸症候群の基礎知識
 1)睡眠時無呼吸症候群の概念と病態
 2)症状および全身的合併症
 3)主な治療法

2.睡眠時無呼吸症候群の精密診断−終夜睡眠ポリグラフ検査
 1)睡眠ポリグラフ検査法にはどのような種類があるのか
 2)睡眠ポリグラフ検査法では何を測定するのか
 3)睡眠ポリグラフ検査法をどのように判定するのか
 4)終夜PSGレポートから何が読みとれるのか

3.スリープスプリント療法とは
 1)スリープスプリントの考案
 2)スリープスプリントの効果

4.スリープスプリント療法の適応検査
 1)上気道の検査法と病的症状
 2)OSAHSの画像診断−セファロをどう読むか−
 3)口腔領域の各種検査
 4)携帯型睡眠ポリグラフ装置の応用

5.スリープスプリントの作製
 1)プレスプレートの作製
 2)プレスプレートの仮止め,試用
 3)スリープスプリントの完成

6.スリープスプリント装着後の注意事項とメンテナンス
 1)患者さんへの説明
 2)スリープスプリントのメンテナンス

7.付 章
 1)FDAが認可してる口腔内装置
 2)加熱圧接器の種類
 3)加圧式加熱圧接器によるプレスプレートの作製例
 4)睡眠障害関連用語解説

はじめに

 平成の二二六事件とも言われる平成15年2月26日に起きた山陽新幹線の居眠り運転で脚光をあびた運転手は,「睡眠時無呼吸症候群」でした.幸いATMのおかげで大きな事故には至りませんでしたが,時速270kmで8分間も居眠り運転をしていました.前日は明け番でお休みでしたので,ビールと焼酎を飲んでから10時間も寝たと本人は言っております.こんなに長く睡眠をとっていてなぜ日中,居眠りをしてしまったのでしょう.
 睡眠時無呼吸症候群を頂点とする上気道抵抗症候群,習慣性いびき症といった睡眠呼吸障害の患者数は我が国で2,000万人以上もいると言われ,大いびきをかいて同室者の不眠を招くだけでなく,高血圧・心臓疾患・脳血管障害などの誘因となっています.また,日中傾眠といった症状が交通事故などの引き金になったり,思考力・集中力・行動力の低下を招いてうっかりミスを連発したり,無気力になるため休職や失職につながるなど,社会問題にもなっています.
 いびきや無呼吸の直接の原因は,睡眠中に鼻腔,咽頭,喉頭部のいわゆる上気道が狭窄あるいは閉塞するためですが,体型的には肥満,小下顎症,舌の肥大などがあげられます.治療法としては内科的マスク療法(n CPAP:経鼻式持続陽圧呼吸装置)や耳鼻科的手術療法(UPPP)などがおこなわれていますが,いずれも一長一短があります.重症度にもよりますが,中等度以下であればファーストチョイスとしてスリープスプリントが最適です.スリープスプリントは私ども睡眠呼吸障害研究グループが1986年に考案し,改良を重ねてきた歯科的療法です.適応症であれば,いびきや無呼吸の抑止効果はほぼ100%に認められ,患者のQOLにも合致し,コンプライアンス(長期使用)も良好です.しかしながら,睡眠呼吸障害の診断は医科の領域ですから,呼吸器内科,神経科,耳鼻咽喉科の医師と情報交換を密にした集学的な医療が必要です.
 平成16年4月から,睡眠時無呼吸症候群の治療に医師の紹介があれば,スリープスプリントをはじめとした歯科的療法が保険適応になりました.今後は,医科の先生からスリープスプリント療法を依頼された場合,保険医療機関であれば,それに対応できる知識と治療が要求されることにもなるでしょう.
 平成16年12月                     中川健三

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