書籍紹介
顎口腔領域 画像解剖アトラス
  -安心・安全な歯科臨床&インプラント臨床のために-
編著:金田 隆(日本大学松戸歯学部放射線学)
 著:新井嘉則(日本大学歯学部)
   有地榮一郎(愛知学院大学歯学部歯科放射線学)
   内藤宗孝(愛知学院大学歯学部歯科放射線学)
   林 孝文(新潟大学大学院顎顔面放射線学)
   本田和也(日本大学歯学部歯科放射線学)
   松本邦史(日本大学歯学部歯科放射線学)
   森進太郎(日本大学松戸歯学部放射線学)

A4判 224ページ 並製 カバー
 ISBN978-4-901894-89-0
定価8,925円(本体8,500円+税)
画像診断は正常像を知ることから!

(見出し,太字で) インプラントの普及や医療機器の進歩に伴って、CTなどを読像する機会が増えてきました。どこに病変があるのか、どこまで病変が進展しているのかを正確に読むには、まず正常像を知っておく必要があります。本書は、顎口腔領域のCT・CBCT・MRI・超音波の正常像をタップリと載せたはじめてのアトラスです!例えば、CT体軸横断像では、甲状腺レベルから眼窩レベルを23の連続スライス像で、それぞれ軟組織表示、骨表示で示しています。しかも各像に詳細なトレースを付けています。これからの画像診断に必携の1冊です!
 
       
目次

目 次

第1章 CT画像解剖
1 CT読像に関係するCTの特性と読像の基礎 
 1.CTの原理 
 2.CTの読像にあたって知っておくべきポイント
  (1)CTは何を画像化しているのか
  (2)ピクセル(Pixel;画素)
  (3)スライス厚
  (4)ボクセル(Voxel;画像最小単位容積) = ピクセルサイズ×スライス厚
  (5)Windowレベル,Window幅
 3.CTのアーチファクト
  パーシャルボリューム効果(部分体積効果)
 4.顎口腔領域のCT撮像時の注意点
  CTのスライス方向は咬合面に沿って!
 5.CTの読像について
  (1)CT読像の順序
  (2)フィルム読像とモニター読像の違い
  (3)読像におけるCT画像の注意事項
  (4)読像所見の作成方法
   読像手順例/CT,MRIの各断面について/画像の情報表示について/
   CT再構成画像について/顎骨のクロスセクショナル画像の情報表示について
2 CT読像のための画像解剖のポイント
 1.下顎骨の解剖
  (1)下顎骨の正常CT像について
  (2)下顎骨の正常CT像のチェックポイント
 2.上顎骨,鼻腔,副鼻腔の解剖
  (1)上顎骨
  (2)鼻腔
  (3)副鼻腔
   a.副鼻腔の排出経路/b.洞口鼻道系(Osteomeatal unit:OMU)/
   c.副鼻腔の正常CT像-i)前頭洞 ii)篩骨洞 iii)蝶形骨洞 iv)上顎洞
 3.CT体軸横断像
 4.CT冠状断像
 5.CT矢状断像
 6.副鼻腔のCT骨表示画像
 7.パノラミック画像
 8.クロスセクショナル画像

第2章 MRI画像解剖
1 MRI読像に関係するMRIの特性と読像の基礎
 1.MRIの原理
 2.MRI撮像時の注意点
 3.MRIの読像について
  (1)MRI画像の読像における注意事項
  (2)MRI読像時の所見の表現
 4.CTとMRIの長所,短所
2 MRI読像のための画像解剖のポイント
 1.顎骨の正常MR像
 2.口唇,頬粘膜,歯肉,小唾液腺の正常MR像
 3.舌の正常MR像
 4.口腔筋群の正常MR像
 5.顎下および舌下間隙の正常MR像
  (1)顎下および舌下間隙の正常解剖
   a.顎下間隙/b.舌下間隙
  (2)顎下および舌下間隙の画像解剖のポイント
  (3)顎下および舌下間隙のCT,MRIによる画像診断の意義と検査時のポイント
   a.CT/b.MRI
3 MR体軸横断像
4 MR冠状断像
5 MR矢状断像
6 唾液腺のCT像,MRI
 1.造影MRI
 2.造影CT
7 頸部リンパ節について
 1.リンパ流の流れ
 2.転移リンパ節の画像検査の考え方
8 顎関節のMRI
 1.顎関節の正常解剖および画像解剖のポイント
  顎関節症の治療
 2.顎関節正常MRI
 3.顎関節症 3a(復位を伴う関節円板の前方転位)
 4.顎関節症 3b (復位を伴わない関節円板の前方転位)
 5.Stuck disk
 6.関節円板の外側転位,内側転位

第3章 CBCT画像解剖
1 読像に関係するコーンビームCT(CBCT)の特性と読像の基礎
 1.エックス線CT検査の歯科治療への応用
 2.コーンビームCT(CBCT)とは
 3.歯科用CBCT読像時のポイント
 4.歯科用CBCTの2Dおよび3D像
 5.上顎臼歯部のクロスセクショナル画像
 6.下顎臼歯部のクロスセクショナル画像
2 インプラント治療で重要な構造のCBCT画像解剖
 1.CBCT画像に見える歯槽骨の形態
  (1)上顎歯槽骨の形態
  (2)下顎歯槽骨の形態
 2.インプラント治療で重要な構造のCBCT画像解剖
  (1)鼻腔底
  (2)切歯管
  (3)上顎洞
  (4)顎動脈の後上歯槽枝
  (5)下顎管(無歯顎)
  (6)下顎管のAnterior loop
  (7)下顎切歯管
3 顎関節のCBCT画像解剖
 1.はじめに
 2.撮影条件
 3.撮影法
 4.画像再構成
 5.画像診断
  (1)正常解剖
  (2)診断基準
 6.まとめ
4 歯および歯周組織のCBCT画像解剖
 1.はじめに
 2.下顎左側側切歯
 3.下顎左側犬歯
 4.下顎左側第一小臼歯
 5.下顎左側第二大臼歯
 6.上顎右側中切歯
  7.上顎右側犬歯
 8.上顎右側第一小臼歯
 9.上顎右側第二小臼歯
 10.上顎右側第一大臼歯

第4章 超音波画像解剖
1 超音波読影に関係する超音波の特性と読影の基礎
 1.超音波画像の原理
 2.読影のための基礎知識
  (1)アーチファクト
  (2)画像の再現性
  (3)良悪の鑑別
 3.所見の表現・歯科領域で用いられることが多い医用超音波用語
 4.走査の実際
  (1)顎下部の走査
  (2)頸部の走査
  (3)オトガイ下部の走査
  (4)顎関節部・側頭下窩部の走査
2 顎顔面の超音波正常像
 1.顎下部
 2.オトガイ下部
 3.耳下腺部
 4.頸部リンパ節
  (1)顎下リンパ節
  (2)上内頸静脈リンパ節
  (3)中内頸静脈リンパ節
 5.顎関節
 6.顎動脈

第5章 各画像のノーマル・バリアント,加齢変化
1 CT,MRIに見られるノーマル・バリアント
 1.CTに見られるノーマル・バリアント
  (1)副オトガイ孔
  (2)二重下顎管
  (3)オトガイ棘管およびオトガイ棘孔
  (4)下顎切歯管
  (5)舌側管および舌側孔
  (6)下顎管からの分枝(臼後管)
  (7)骨隆起(外骨症)
  (8)先天性二重下顎頭
  (9)異所性石灰化物(眼球)
  (10)副耳下腺
  (11)異所性唾液腺
 2.MRI読像時の血管の信号変化について
2 CT,MRIに見られる加齢変化
 1.顎骨の加齢変化
  (1)加齢による骨梁変化
  (2)下顎骨骨髄の加齢変化とMRIの信号変化
 2.上顎洞の加齢変化
3 CBCTに見られるノーマル・バリアント
 1.骨隆起-下顎隆起
 2.骨隆起-上顎洞
 3.上顎洞隔壁
 4.オトガイ棘管(下顎骨正中部)
 5.下顎側方部舌側管(下顎骨犬歯・小臼歯部)
 6.副オトガイ孔
 7.臼後管
 8.Temporal crest canal
4 超音波に見られるノーマル・バリアント
 1.顎舌骨筋の欠損と舌下腺の突出
 2.顎動脈走行のバリエーション
5 超音波に見られる加齢変化
 1.顎下腺
  2.耳下腺
 3.リンパ節 


Key note
欧米での画像診断で訴えられる主な理由
鼻腔・副鼻腔の悪性腫瘍の好発部位はどこか?
単純CTでみられる副鼻腔の高吸収組織の原因は何か?
頸部につながる表情筋群について
耳下腺リンパ節の腫大にはどのようなものがあるか?
胸鎖乳突筋について
甲状腺について
舌骨について
管・孔について
蝶形骨洞について
脳神経について
頭頸部の筋について
MRIの拡散強調像(Diffusion-weighted MR image:DWI)について
MRIの脂肪抑制法(Fat suppression)について
頸動脈について
頸静脈について
頸部の筋について
咽頭について
傍咽頭間隙(Parapharyngeal spac:PPS)について
傍咽頭間隙の観察の意義は何か?
傍咽頭間隙に含まれる組織は何か?
口腔と口腔咽頭(中咽頭)の境界は?
頸動脈間隙(carotid space;茎状後領域)に含まれる組織は何か?
咀嚼筋間隙に含まれる組織は何か?
耳下腺の唾液腺腫瘍で最も頻度の高いものは何か?
咽頭後間隙に含まれる組織は何か?
耳下腺間隙に含まれる組織は何か?
鼻咽頭(上咽頭)の境界は何か?
側頭下窩について
視神経,眼動脈,上眼静脈,眼窩内脂肪について
眼球運動を司る筋肉について
口腔咽頭(中咽頭)に含まれる構造は?
頭頸部の間隙にはどのようなものがあるか?
下咽頭に含まれる構造は?
リンパ節を内部に含む大唾液腺はどれか?
咽頭について-1
咽頭について-2
大唾液腺の種類で悪性の出現頻度はどの程度か?
唾液腺の悪性腫瘍で頻度の高いものは?
外頸動脈について
頸部リンパ節腫大の原因は何か?
石灰化リンパ節の原因は何か?
リンパ節転移が予後に及ぼす影響について
病的リンパ節の診断基準は何か?
転移リンパ節の画像診断のポイント
TNM分類について
Curved MPR(Multi Planar Reconstruction)多断面再構成について

はじめに


 近年,コンピュータの進歩と共に顎口腔の画像診断は劇的に変化しています.歯科治療において,CTや磁気共鳴画像(Magnetic resonance imaging:MRI)検査を診療に利用する一般歯科医師が急増しています.特に近年,インプラント治療を行う上で,歯科用CT(Cone Beam Computed Tomography:CBCT)の普及が進んでおり,自院への導入やまたは画像検査を大学病院や画像診断専門病院に依頼し,診療に利用する一般開業医の先生方が非常に増えてきました.
 私の大学の放射線科には年間1,000件を越す歯科開業医の先生からのインプラントのCT検査の御依頼があります.それらの検査を通じて,臨床現場で診療に携わる一般開業医の先生方の求めるものは何かをいつも考えながら,画像を通じ,日々一般歯科開業医の先生方と交流させていただいています.
 特に,エックス線CT検査がインプラント治療へ応用され,コンピュータの発展と共にエックス線CTの画像は画質も精度も日進月歩で発展し,現在のインプラント治療はエックス線CTの情報なくして治療を行う先生が非常に少数になるほど普及しました.その一方,日常臨床で非常に重要な問題として,いままで馴染みのないCTやMRIの読像を一般歯科医師が実施しなければならないという画像読像の問題が生じてきました.読像のための異常像の検出や進展範囲の把握は,なにより正常画像解剖を知ることから始まります.
 これらを踏まえ,本書の内容はCT,MRI,CBCT,超音波(Echo)の正常画像診断にフォーカスを絞り,特に,歯や歯周組織の疾患のみならずインプラント治療や顎関節治療を行う上で必要な知っておくべき解剖,画像解剖およびCT,CBCT,MRIやその他のモダリティーの基本的な原理まで,各エキスパートの専門医の先生方に御執筆を頂きました.
 本書は,研修医やこれから一般歯科治療に画像応用を始めようとされている先生はもちろん,すでに各専門医として一般歯科から顎口腔の画像診断や治療をされている先生まで,診療のかたわらに携える臨床医必携の書と考えております.
 本書を読まれた先生方が,迅速的確な画像検査を行い,患者さんのQOLを保ち,より国民の健康に貢献する歯科治療や顎口腔の治療を行うことに少しでも役に立てば幸いです.

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